にった接骨院

小さな異常を見逃すな!(若木骨折とは) 2019/12/26

こんにちは。埼玉県志木市、にった接骨院新田です。

今回の症例は、転倒して、左手をついた小学生の男の子です。

来院されたときは、痛みはあったのですが、腫れはそれほどでもありませんでした。

一見したところ、重症とは思えない様子ですが、この症例も私には骨折の匂いがしました。

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エコー観察で見る若木骨折

以下のエコーをご覧ください。上下のエコー写真の違いがわかりますか?

 

上のエコー写真は、正常な骨です。下のエコー写真は、今回の骨折の際のエコー写真です。

下のエコー写真は、骨が曲がっていることがわかります。

ポキっと二つに折れてはいないのです。この状態を「若木骨折」と言います。

この骨折は、子どもに起こる特徴的な骨折で、外見上ではあまり腫れもないので、軽傷だと思って来院される方も多いです。骨折の匂いを感じ、「骨折の恐れがあるので、きちんと検査しましょう」と言うと驚かれる場合もあります。

提携の整形外科でレントゲン検査をしたところ、やはり若木骨折でした。

若木骨折とは

子どもの骨は、大人の骨に比べてとても柔軟性があります。そのため、衝撃が加わっても、折れるのではなく、しなったり、曲がったりして、完全に折れない状態になるのです。これを「若木骨折」と言います。

本物の木を使って確かめてみましょう。

以下の写真は、古い木の枝です。大人の骨と同じです。

これに力を加えると、以下のように真っ二つに折れてしまいます。

以下の写真は、若い木の枝です。子どもの骨と同じです。

これに力を加えると、しなって曲がり、2つには折れません。

しかし、このような状態でも、曲げた部分にはダメージがあり、ひびがあったり、曲がった状態になっていたりします。

若木骨折は、真っ二つに折れたりはしていないのですが、「骨折」として、治療方法も骨折と同様です。

 

これからも、小さな変化、骨折の匂いなどを見逃すことなく、感覚を研ぎ澄ませることを大事にしていきたいと思います。

整形外科との連携を密に持ち、身体の仕組みを総合的に考え、治療を行ってまいります。

今後とも、よろしくお願いいたします。

主な紹介先

医療法人社団武蔵野会 新座志木中央総合病院

医療法人社団広優会 かとう整形外科・リハビリテーション科

医療法人社団医和会 坂本整形外科

さくら記念病院

(順不同)

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