にった接骨院

高齢者の転倒で起こりやすい肩の骨折 2019/12/14

こんにちは。埼玉県志木市、にった接骨院新田です。

施術で使う大切な道具

これはなんでしょうか?

タオル。そう、タオルです。

しかし、このような状態に巻かれたタオルは、施術するときに大変重要な道具になるのです。

レントゲンで写らないものを見る

今回の症例は、高齢者の転倒で起こった骨折です。

歩いていた時に転倒し、肩を打って来院されました。

提携の整形外科でレントゲン検査したところ、骨折が確認できました。

肩の骨の、いちばん外側の丸いところが折れています。

 

割れたところを抑え込んでしまえばぴったりくっつくように見える骨ですが、このレントゲンで見えてこないところに重要な点があるのです。

この折れた部分は、「大結節」と言い、この骨には棘上筋と棘下筋という2つの筋肉が付いています。

レントゲンには、筋肉が写りません。

しかし、施術に当たっては、この筋肉の働きが分かっていることが重要なのです。

骨折を治すときに考えるべき”筋肉の力”

2つの筋肉は、それぞれ肩を動かすときに使う非常に重要な筋肉です。

腕を上げたり、前後に動かしたり、捻ったり…この筋肉の動きの組み合わせで、複雑な動きができるのです。

今回は「棘上筋」に注目してみましょう。以下の写真の赤→で示されたテーピングが棘上筋の代わりです。

棘上筋は、腕を上下する際に使う筋肉で、腕を下ろしているときには伸びています。

 

対し、腕を上げているときには、緩みます。
 

この仕組みから、腕を下げたまま固定をしてしまうと、大結節が引っ張られてしまい、どんどんずれてしまうのです。

筋肉を考えた固定

そこで登場するのが、冒頭でご覧に入れたタオルです。

これを脇に挟むことによって、腕を上げた状態を保つのです。これを「腋下枕子」と言います。

 

上げた状態が保たれたまま固定ができれば、棘上筋は緩んだままで、大結節が引っ張られることもありません。

このタオルは、患者様の体格によって大きさを変えます。

筋肉の仕組みを知っているからこそ、正しいほねつぎができるのです。

治療の状況を整形外科の先生に伝え、定期的にズレはないか細部まで見ていただくことで、障害が残ることもなく完治できました。

今回も、3週間ほどで固定がはずれ、リハビリ後、完治となりました。

 

これからも、整形外科との連携を密に持ち身体の仕組みを総合的に考え、治療を行ってまいります。

今後とも、よろしくお願いいたします。

主な紹介先

医療法人社団武蔵野会 新座志木中央総合病院

医療法人社団広優会 かとう整形外科・リハビリテーション科

医療法人社団医和会 坂本整形外科

さくら記念病院

(順不同)

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