にった接骨院

少し先を読んだ応急処置。 2025/03/18

新田です。

2025年3月16日。
今シーズンのスキー場での救護活動が無事終了しました。
これで私のスキー場救護活動は、20年目のシーズンを終えたことになります。

20年間、数えきれないほどの負傷者と向き合ってきました。
スキーやスノーボードの転倒による骨折、脱臼、捻挫、打撲…
多種多様な外傷に対して、私は現場でその場しのぎの処置は行いません。
常に意識しているのは、
「この怪我の症状は数時間後、どのように変化するのか?」
これを予想した処置を行います。

例えば「腫れ」
これは外傷において非常に大きなポイントになります。
腫れは、損傷の場所、損傷の形態、健康状態など、複数の要因によってその出方が全く異なります。
「この部位で、この損傷なら、あと数時間後にはこの程度まで腫れるだろう」
この予測が立たなければ、安全な処置はできません。

その場でぴったりと包帯を巻いたり、強く固定したりするのは、非常に危険です。
腫れを計算せずに包帯を巻けば、数時間後、圧迫が強くなり血流が阻害される危険がある。
現場では「今の状態」だけでなく、「少し先の状態」に合わせた処置を行う事が絶対条件です。
だからこそ、腫れを計算し、あえて「ゆとり」を持たせた包帯固定を行います。

使う副子や固定具も同じ。
腫れの進行を見越して、その場で何を選ぶべきかを判断し、適切な道具を使います。
計算し、準備しておくこと。
それが現場での安全を守る鍵になります。

では、この「腫れの予測」はどうすればできるのか?
それは、日々の観察と経験の積み重ねでしか身につきません。
私が接骨院でスタッフに最初に必ず教えるのは、
「腫れの出方を観察し続けろ」
ということです。
ケガをした患者さんの腫れが、どのタイミングで、どの程度現れ、どう変化していくのか。
その変化を時間ごとに徹底的に観察し続ける。
それが、腫れを計算できるようになる唯一の方法です。

現場で最適な応急処置を行うためには、普段の業務の中で腫れを知り尽くしておく必要があります。
長年の経験と、日々の観察の積み重ねが、症状の変化を先読みする力となるのです。


応急処置は「その場しのぎ」ではない。
少し先を予測し、その変化に合わせた処置を行うことが、真の応急処置だと私は考えています。

来シーズンも救護活動頑張ります!

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