にった接骨院

ほねつぎの技術:動かして治す骨折 2018/11/30

埼玉県志木市中宗岡のにった接骨院です。

 

先日、いらっしゃった患者様は、ご自宅で転倒したとの事。

左腕が痛いということでした。

あまりに痛くて動かすこともできない。

やっとのことで、来院されました。

「先生、ちょっと転んじゃったの。脱臼したかもしれない。」

早速、患部を見せてもらうと…脱臼ではなく、やはり、折れているようです。

高齢者に多い骨折です。

腫れの状態、痛みの状況などから判断し、部位によっては一見で骨折が分かる場合もあります。

念のため、エコー観察にて、骨の状況を確認します。

折れていますね。赤い矢印の分だけ骨がずれています。

このような場合、提携している整形外科にレントゲンで確認してもらいます。

以下が骨格標本の左肩の写真です。正常な状態になっています。

骨折部分をアップにしてみましょう。

腕の骨の肩と接するところです。

今回は、腕の骨の赤い矢印の部分が折れました。

そしてさらに、折れた上に、上の黄緑色で囲んだ骨の内側に、オレンジ色で囲んだ骨が入り込んでしまったのです。

レントゲンで確認してみましょう。

折れて入り込んでいるのがわかるでしょうか?

黄緑色とオレンジ色で図示してみます。

黄緑色の中にオレンジが入り込んでいるのが分かります。

通常の骨折治療

骨折の治療の場合、通常は、「整復作業」をします。

整復作業とは、ずれた骨をけん引などして、元の状態に戻すことです。

手術をしなくてよいという利点はありますが、作業の際に痛みを伴います。

今回の症例では、手術も勧められましたが、保存療法で適切な処置により手術をしなくても治すことが出来ます。

動かして治す骨折治療

今回の症例の場合は、この整復作業をせず、「動かして治す」治療を行いました。

腕を吊った状態で、下の写真のような姿勢を取り、ゆっくり前後左右に揺らしていきます。

自分の腕の重みをかけ、揺れを加えることで、入り込んだ骨(オレンジ色)が徐々に下がり、

正しい位置に戻っていきます。

日常も腕を吊っていれば、

常に自分の腕の重みで骨が下がり、正しい位置がキープされるので、

包帯固定なども必要ありません。

 

合わせて、当院では、超音波骨折治療器「オステオトロン」にて電療を行っていきます。

この骨折治療器を使用すると、40%早く骨が付きます。

骨が早く付くとリハビリにも早く入れ、筋肉の低下も抑えられます。

結果的に早く元の生活に戻れるのです。

 

高齢者は、骨が弱くなっている方も多く、ちょっとした転倒が骨折につながることもあります。

転倒には十分注意していただくとともに、もし転倒された場合は、いち早くご来院くださいね。

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