にった接骨院

スキー場での経験~開放骨折 2020/01/28

埼玉県志木市中宗岡にった接骨院の新田です。

冬期、当院が休みの間、ハンターマウンテン塩原にて救護活動などを行っています。

この冬は、当院の伊藤先生が平日も救護活動に携わっています。

ハンターマウンテン塩原は、高性能の降雪機が完備されており、大変良い状態で全面滑走が可能です。

天気がよいときは、どうしてもスピードを出しすぎてしまう人もおり、ケガされる方もいらっしゃいます。

今回は、接骨院には通常来ない、スキー場の症例をご紹介します。

接骨院では診られない症例「開放骨折」

スキーをしていて転倒し、けがをして救護室に運ばれてきました。

見ると、スキーウェアに血が滲んでいます。転倒時に切ったのかと思い、患部を見ると、折れた骨が露出して皮膚を突き破っていました。

これを、「開放骨折」といいます。

このような骨折の場合、整形外科に救急搬送され、接骨院に来ることはありません。

スキー場は、整形外科に搬送される前の開放骨折のけが人が運ばれてくることがあるのです。

骨折と開放骨折の処置の違い

通常、骨折の場合は、骨を元の位置に戻す「整復」を行い、固定をしていくのですが、

開放骨折の場合は、絶対に骨を元に戻してはいけません。

同じ骨折なのに、どうしてこのように処置の方法が違うのでしょうか?

開放骨折の処置

体外に骨が露出した瞬間に、骨は空気中の細菌に感染してしまいます。

骨は、細菌に非常に弱く、重篤な感染をすると、場合によっては骨髄炎などの感染症、合併症を引き起こし、最悪の場合は切断をしなければならないという恐れもあります。

そのため、感染したものを体内に入れないように、骨を元に戻してはいけないのです。

 

普通の骨折であれば、骨を整復で元の位置に戻せば、痛みもかなり軽減します。

しかし、開放骨折は、必ずそのままの状態で、ガーゼなどで覆い、患部が動かないように現状のまましっかりと固定を行い、整形外科に搬送します。

現状をしっかり保存し、整形外科で診察してもらう事が何よりも大切だからです。

 

 

このような事例を瞬時に判断し、救護活動を行うということは、ここでしかできないことです。

様々な症例を総合的にみられることは、ほねつぎとしては有用な経験となります。

ここで積んだ経験を、接骨院での施術に生かしていければと思っています。

 

 

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