今回ご紹介するのは、指の関節付近の骨折です。後遺障害が残りやすい為、繊細な施術が不可欠です。
指は、大変細かい作業をする機能を持っています。
そのため、小さな損傷やズレが、すぐに機能の不全につながっていきます。
今回の症例は、指の関節付近の骨折です。
しっかりと治癒できないと後遺障害が残ってくる場合も多いのです。
患者様は、小学生です。
サッカーをしているときに、飛んできたボールが手にあたり、骨折してしまいました。
レントゲンの患部をご覧ください。
(左右のレントゲンは同じものです。手の甲側から撮影されています。)
折れているのは、右手の薬指の第一関節付近です。
手のひら側からボールがあたり、指が後ろに持っていかれました。
同じ繊細な手指の骨折でも、以下のイラストのように、骨の中間部(骨幹部)が折れたのであれば、機能に直接関わるものは少なく、後遺障害のリスクは低くなります。
しかし、今回の骨折は、指を動かすためには非常に重要な関節付近の部分です。
関節は蝶番のようなものです。これが損傷したり、回復が正しくできない場合には、すぐに指の動きに不具合が出てきます。
以下のレントゲン、左右は同じものです。
折れた上に、先の部分が甲側にズレているのがわかります。
このような精密な整復を行う場合には、医師の協力の元、指示や指導を受けます。
医師の指示を経て、当院で施術を行う場合は、まず整復作業を行います。
整復とは、骨が折れたことでずれが生じてしまった状態から、正常の位置に戻すことを言います。
整復作業も、大変神経を使う施術ですが、さらに神経を使うのが固定です。
包帯を巻いているだけ…そう思われがちな固定ですが、
ほねつぎの技術として、最も重要なものなのです。
整復した骨は、不安定な状態です。そのままにしておけば、またズレが生じます。
整復したその状態をキープするためには、適切な固定具や包帯を使った固定が必要なのです。
当院では、ギブスは行わないため、毎日、超音波骨折治療器オステオトロンをかけて、骨の再生を促進していきます。
<上記写真は手首骨折の場合です。患部にかけていきます。>
治療器での施術と共に、骨の状態を確認しながら、確実に適切な固定を行っていく。
これがほねつぎの技術です。
当院では、繊細な手指の骨折でも施術可能な技術があり、信頼できる整形外科の先生方との連携が取れています。そのため、安心して施術を受けていただくことができるのです。
また、より迅速に完治できるように、技術向上や最新の治療についてなどの勉強は欠かせません。
これからも、医師との連携協力のもと、保存療法の良い点を生かし、施術を行っていきたいと思います。
埼玉県志木市宗岡のにった接骨院 新田でした。